モノラル・パワーアンプの利得を下げました。
師匠からの推奨によることです。
私はプリアンプのフォノイコライザー部のみを取り出して聴いています。
つまりプリアンプのフラットアンプ・ボリュームを通していません。
我が家のスピーカーの能率(87db/m)に合わせてプリもパワーも作ってもらっています。
常々師匠が考えていたようなのですが、パワーアンプの利得を下げたいと。
理由は簡単で、質を上げるためです。
それで、先日帰ったときに師匠宅でその実験をしてもらいました。
利得を下げるだけでこれだけの質がアップすることに驚きを覚えました。
カチャカチャっと2メモリぐらいボリュームを下げた感覚のダウンです。
確かに、パッと聴きはその2メモリくらい下がったような音圧のダウンを感じましたが、
質のアップに驚きながらも、その音楽の中というかスピーカーの中に吸い込まれるような
感覚ともうしましょうか、そこに入りこんでしまうと、
何故か以前より音が大きく聴こえだしました。
私が気にするのは、ピアノ左手のタッチ具合がわかり、その叩いた鍵盤の反射音が空間のなかで
聴こえるかどうか、がとても重要なポイントなのです。
ピアニストもそこを聴いてもらいたいと思っているのではないでしょうか。
高級オーディオショップや友人宅に行ってもそれが聴こえるかどうか、により評価が決まると
言っても過言ではないのです。
かなりの高級店やハイエンドの方のところに行って聴かせてもらってもそこが、立体感がなく、
トントンとかゴンゴンという程度のところが多いのです。
この部分のレベルがクリアされているとかなりの追い込みをされていると思うのです。
これが感じられると、その場に入り込んだ上での迫力というものを感じるようになります。
スピーカーの各ユニットをパワーを入れて音圧で圧倒する迫力とは質が違ってきます。
趣味のことですので、人それぞれですが、その認識まで行かれている方は残念ながら
とても少ないと思います。
私が今CDPを借りていますが、その方もスピーカーにパワーを入れて迫力を出したいタイプです。
もう何年も付き合っていますので、少しはこちらのほうにむき出していますが、
やはり完全に向いてくれていません。
スピーカーの音圧で圧倒して迫力を我々に提供するやり方が悪いと言っているのではありません。
殆どのハイエンドのショップはそうですし、オーディオ評論家の方の聴き方や評価の時の聴き方
もそのような感じだと思います。
その向こうにまで行くと、その世界を超えた脳によるイメージと脳の感じる音圧で
その奏者等と場の共有しながら、とても濃密な語らいが出来る世界があると思っているのです。
私もこんなことをかける(認識できるまで)のに今日までかかったわけです。
感覚的には40畳で天井が4メートルほどある部屋で大型のスピーカー(90db/m程度)でシングルの
パワーアンプ5W程度の上質なものでじっくり、その世界に入り込んで聴き入るという
イメージでしょうか。
そこでシンフォニーのピアニシッモが綺麗にイメージできるというイメージかもしれません。
そうとうS/N比が良くないと太刀打ちできません。
雑誌では最低500Wは欲しいという評論になる場面です。
量か質か?
そんなことが書けるまでのところに来ています。
来週、そこにモノラル・フォノイコライザーアンプが到着しますので、
その世界が更に感じることが出来るようになることを楽しみにしているのです。