昨日行ってきて、各ブースでよい音色を出していたと申し上げました。
以前にも紹介しましたが、LINN LP12 KEELはやはり「聞かせる」音を発していました。
これは一聴の価値あり、の音です。
このような簡単に見えるシステムからこの音が出るなんて、というくらいのショッキングさです。
演奏者の気持ちを形式化してくれるプレーヤーとでももうしましょうか。
大したものです。やはり素晴らしいと感じました。
もう一つが写真のスパイラル・グループのプレーヤーです。
まだ発表されていない廉価版もでていました。それでも260万円程度はします。
これは上位の360万円程度するのと同じグラハム・ファントムという秀逸なアームが奢られた
ものです。
私のグラハム2.2よりも使いやすくなっているようです。ただし、重量は増えているので、
LINNには使いづらいのではないでしょうか。
この音も聴いてきました。
これは、情報量はLINNより上でしょうね。これは間違いないような気がします。
静けさもあり、切れ込みの鋭さも大したものです。
ただ、この2機種はかなり正確の違うものです。
前者がウォーム系で後者がクール系ということが言えるのではないでしょうか。
どちらも欲しいと思いました。
私はいまLINN LP12にグラハム2.2ですから、それらの中庸をいっているのでしょうか。
でも足して2で割ったものということは言えないと思います。
色々と手を加えていますので、それなりに追い込んだ音を出しているとは思いますが、
前出の2機種にはかなわないでしょう。
ロルフ・ケルヒのリファレンスⅡはゆったりと余裕のある音はしますが、ちょっと音的には
一世代古いのは否めない。トーレンスのリファレンスのコンセプトから脱していない気が
しています。ただ、デザイン的にはかっこいいですね。
オーストラリアのContinuum Audio Laboratories の超弩級アナログプレーヤーシステム
“Caliburnも弟分も最先端の現代的な音はしていますが、使いづらいく価格も高く現実的ではものです。
最初の2機種は、特にLINNなんかは昔のシステムと見た目の違いはアームぐらいで、殆ど変わりがない
ように見えて、常に改善しようとする姿勢は素晴らしいものです。
まさにいい意味での伝統の一品ですね。でもそれが260万円程度とは驚きですが、CDやSACDの同程度で
は近づくことのできない世界を持っていますので、その価値はありそうです。
スパイラル・グループもしかりです。
超弩級の後者の2機種は、もちろんその値段だけのことはあるという片鱗(低域の余裕度)も感じます
が、まだまだの感があります。ただ、その挑戦しようとする姿勢には頭が下がります。
日本のメーカーではこのようなものは出ないでしょう。
その精神性の違いは何なのか、をしっかり我々オーディオファイルを含め、メーカー、企画者は
突き詰めて考える必要がありそうです。まさに哲学まで帰ってのそもそも論まで落として考える必要が
ありそうです。
つまり、日本の企業は、企業の売り上げ、収益という枠があり、難しいことは理解できますが、
それだけではなく、匠の世界をシステムとして全体概念にまで作り上げる力はあまり得意では
なさそうです。
得意と思っている方は多いと思いますが、究極に拘った製品やサービスは日本ではなく、海外にある
と思いませんか。
ほどぼどのの匠度と言えるのではないでしょうか。
それと部品単位で。システムとか、全体のグランドデザインまでのすりあわせは苦手のように
思えてなりません。
それを理解した上で、経営もしていかねばなりません。
ポジショニングを明確にする必要がありそうです。
オーディオからのアプローチでもそれが垣間見れます。