Vintage Vanguard邸ご訪問

 先週の日曜日にジローさんのお誘いを受け、横須賀で内科医のMさん宅に行ってまいりました。


 もうMさんというような仮名でお伝えしなくても、とても有名な方だと初めて知りました。

 最新のAudio Accessory(オーディオ アクセサリー 2010年spring 136号)のP328~P329にも掲載
 されている方です。

  過去のStereo Soundにも3回も登場し、近々また登場するらしい。

  行くまで何も知らずに(すみません)行ってまいりました。

  私も相当なオーディオ馬鹿をしていますが、もっと馬鹿(大変失礼)がいることも
  分かりました。

 案外我が家から近くて、一時間少しで行けることも分かりました。

 さて、そこは、
まさに博物館でした。しかも博物館と違うところは、それがそのまま音として再現されることです。
 私にとってはウエスタンエレクトリックは有名なことは知っていて音も聴いたことはありましたが、
 これだけ本格的に聴かせてもらうのは初めての体験でした。
 
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HMV製のmodel202でしょうか。私のような全くの素人でもとても貴重な蓄音器のような気がします。イギリスの当時の気品が感じられるものでした。
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ここまではまず玄関を入って、最初のルームでのシステムです。

 結局6部屋で14システム?も聴かせてもらいました。8時間以上の音の歴史のシャワーでした。

 美味しいワインやウィスキーも頂き、酔いもまわりましたが、そのシャワーに酔ったと言って
 よいほどのシステム群でした。
 
 その第一の部屋ですが、

 聴かせてもらいながら感じたことは、

1929年にアメリカのウォール街で株価が大暴落します。その後1933年に世界大恐慌に突入していくわけです。その暴落前は、第一次世界大戦と第二次との間のしばしの宴だったのではないでしょうか。

 それがオーディオの世界でも花が咲いた時期だったのでしょう、という感覚でした。

 このような大型のホーンシステムがどのようなシチュエーションで鳴らされていたのか分かりませんが、映画館や富裕層の家庭で鳴らされていたことが想像されます。
 
 最近は、世界の工場は中国、というのが世界中の一致した認識でしょうが、

 概していうと20世紀は、世界の工場はアメリカ、だったのです。
 それがこのオーディオでもVintage Vanguard邸にくれば私の歴史観が現実のものとして証明して
 くれました。

 そこで肝心な音ですが、

 もちろん、スペックは日進月歩の世界ですので、80年前のシステムですから最新とは違います。
 しかしながら、我々はスペックの数値が良いから感動するというものではない、ということを
 ここのシステムは教えてくれます。

  非常に聴かせどころのある味を私に伝えてくれました。
  その時代のもっている空気感が伝わってくるのです。

  それは、楽器や肉声の背後にある、時代の熱風が、この巨大なホーンから心地よく
 私に風の香りとして刺激してくれました。

  これは想定外の心地よい感覚でした。

  感動ものでした。
  ビンテージも良いものだな、と思うと共にこの鳴らし手の凄さを名刺代わりに頂いたのでした。

   私ももう少し後期のアルティックA7やJBLを和歌山で寝かせていますので、

  東京での生活を卒業したら、是非また取り組みたいと感じました。
 
   その追い込み方(ビンテージのシステムとしての完成度)は私には経験不足ですが、
  わが師匠と一度やってみたいと想いが出てきました。

 また続きを書かせていただこうと…。