unicornさん宅ご訪問

「今の若い者は、…」とよく聞くフレーズがあります。
それはあまり良い意味あいで使われないが、紀元前のジュリアス・シーザー
時代でも言われたと書かれています。
いやもっともっと遡る人類が思考を始めてからの口承伝のようなものかもしれません。
 それを逆説的に捉えると、「今の年寄りは、…」と言い換えることができます。
そのことを悲観的に捉えるのではなく、能動的、積極的に考えてみたいと思っています。
私は40代ですが、仕事の卒業年代の「段階の世代」やその上の「昭和世代」
(戦争を自ら体験し、かつ高度経済成長も体験した人間)
   を健全に客観視すべきなのだと感じています。

   そんなことをふと感じながら…聴かせてもらいました。

イメージ 1

 今日ご訪問したTさんも私の一世代先輩の方で、仕事でも日本とアメリカを渡り歩いてきた方です。
その意味で、好きし頃のアメリカと日本の両方を実際に肌で感じてこられた方だと分かりました。

 まさに私はTさんの生きざまを音を通して聴くことができた3時間半だったのです。

Tさんのシステムはもちろん全てがインテグレートして出来上がっていることは分かっていますが、
その中で絶大なる存在感を示しているのが、スピーカーのGERMAN PHYSIKS Unicorn-Woodだと思います。

 私もここのメーカーの思想は好きで、以前少し聴いた時も私の好むものだったことを思い出しました。

 しかし聴いた感想は、私が予想していたものより遥かに素晴らしいものでした。

 特にアナログの素晴らしさでした。

  申し訳ないですが、CDとの差はもちろん我が家もそうなんですが、かなりの開きがありました。

 それだけアナログが素晴らしかったのです。

  それに貢献しているのが、LINN LP12とortofon Tone Arm+SPU Synergyだと分かりました。
 私もLINN LP12は2台所有していますし、その調整の仕方で恐ろしく変化することも重々承知しています。

  ここのLP12は見事に調整された音が出ていました。

  なんと言っても定位の素晴らしさです。

  位相のずれも全く感じられません。

  私のThielfはこれに悩まされ続けましたが、この問題は解消されています。
  しかし、私のは悲しいかな5wayです。そのネットワークがいくら良質のものでも、やはり限界があります。
  その点ジャーマン・フィジックスはそのところを根本から解決させようと取り組んだ結果出来上がったものですので、素晴らしいものでした。

 これはトップの哲学の勝利ですね。参りました。そこには執念を持って作り上げた感が感じられました。
 それはシンプルということです。

 美学ですね。

 その美というものにTさんは、感じ入ったのだと思います。LINNしかりです。

 それともう一つ私を楽しくさせてくれたのは、

  レコードのかけ方なのです。

 それはしぐさといういみではなく、一つ一つのソフトのコンテンツが素晴らしいことの上に、
 
  それらを開いていく流れ、それに語りがとても、心地よいものでした。

 つまりハードとソフトの両方から私に心地よさをもたらしてくれました。

  時間も全く気にならないものでした。(すみません、長居してしまいました。)

イメージ 2
イメージ 3
イメージ 4
イメージ 5
素敵なメゾネットタイプのマンションでした。気兼ねなく大音量でかけられる環境というのにも驚きました。


我々の世代というか、40代以下は、これからもう一段、気概をもって時代認識する必要がありそうです。
 そうしなければ、Tさんのような世代の思考を越えられず、つまり新たなコンセプトが創りだせないな、と感じたりしながら、帰りの電車で考えていました。

 私の年代を含めて若い者も知識のある人間は多い。しかし、今の時代、知識は至る所から取り入れることが出来ます。

 しかし、それを知恵として未来を見据えて文脈の中に落とし込んでいく時代観をつくりたいものです。

 そんなものは後から文脈を再編集してつくるものかもしれませんが、
 そのような良き思い出をつくるために、実行出来るかが我々の世代に求められているな、と
 色々と妄想してしまった訪問でした。
 
   オーディオと音楽は新たな認識観をもたらしてくれるもので、素晴らしいものだと改めて感じて
 います。