という番組が今晩NHK BShiであるらしい。
最近、この李御寧(イ・オリョン) さんの本を何冊か読んだ。
代表作は写真の1982年に出された「『縮み』志向の日本人」でしょう。
他には、『ジャンケン文明論』も素晴らしい。
とにかく小さいものにこだわるのが日本人だという。
確かに、世界最大というより世界最小というほうが日本人にはぴったりくる。
これは、私のこれからのオーディオにも同様なことが言えるのではないだろうか、と
思っている。
それは音量のことだ。
爆音で聴くのも確かにいいものだが、それは長時間じっくり聴くには向かないと思う。
友人が聴きにきて、大きな音でアピールするのにはいいかもしれないが、
真夜中にじっくりと奏者と対面して対話するがごとく聴くには、小さいほうが
いい。
しかし、小さい音で全てを表現するのは難しい。
私がよく言っている「音の太さ」がないと音楽にならない。
また、SNが良くないと聴きとれない。
音が小さいほどSNの善し悪しが出てしまう。
CDはスペック上はアナログに比べて圧倒的に良いが、聴感上のSNはそれほど良くない。
このようなちょっとしたこと、いや大きな意義があるNoiseの低減に粛々と取り組むべきな
のが日本の技術というか、縮み志向が合うのだと思う。
どうしても大量生産、大量消費志向にならざるを得ない経済環境ではあるが、
日本として強みを発揮していこうと思えば、小ささ、少なさなど、日本人しか
発想しえないことに注力を注ぐことが大事なのだと思う。
この本を読んでそのようなオーディオ好きな私なりの印象を持ったので、記しておいた。