芸能城山組『ビザンチンの響き--シルクロード幻唱Ⅱ』

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 本日、一日このレコードと勝負していました、というくらいの対峙が必要なレコードでした。

 芸能城山組は山城祥二さんがプロデュースする音ということにとてもこだわった芸術楽団とでも

 もうしましょうか。

 西洋音楽という12平均律に挑戦しようとしているように感じます。西洋と東洋の融合なのかも

 しれません。

 また、オーディオ的にも私のようなアナログにとてもこだわりをもつものにも、挑発している

 ぐらいの意気込みを感じます。

 恐ろしいくらい挑戦しがいのあるレコードでした。

 実は、この山城祥二さんは、私がよくこのブログで引用している『音と文明』の著者である

 大橋力(つとむ)さんと、同一人物です。

 音楽家であり、学者なのです。

  これがまったく半端なものでないことが、本でもレコードでも同様に感じられます。

 レコードもこのダイナミックレンジは半端ではありません。

 私の持論の「音と音のあいだ」がこのレコードから出すにはとても大変なことだと分りました。

  それは、録音が悪いから出ないのではなく、非常に驚くぐらい素晴らしい録音のレコードです。

 これには合唱団があるのですが、ハーモニーのきれいな声に違和感のある声が圧倒的な声量で

 切り込んできます。

 まさにビザンチンというブルガリアの文化の十字路のところで、西洋と東洋が「和をもって尊しと

 なす」まえのコンフリクトを表しているかのごとくです。

  それがオーディオ的にも私を刺激して、この混濁を「あいだ」を作って鳴らし切れるかと

 訴えてくるのです。

 それで、プレーヤー周りの調整に朝から今までやってたわけです。

 やっと納得できるところまで鳴るようになりました。

  このレコードだけで朝からずっとLINNのプレーヤーのサスペンションやグラハムのトーンアーム、

 カートリッジ、フォノケーブル、ラックなどの調整に明け暮れていました。


   
   それで、やっといつもよく聴く曲に変えて聴いてみました。

 驚くことに以前よりかなりよく鳴るようになっていました。

 本当はその時(以前から聴いている時)に気づけばよかったのでしょうが、

 この『ビザンチンの響き』がそのように

 仕向けてくれたんだと思います。


  まあ、とんでもないレコードかもしれません。

 一度、このレコードと向き合ってはいかがでしょう。

 勝負し甲斐があることは間違いないと思います。