もともとバイオリンやヴィオラ、チェロという楽器を使った演奏を好んで聴いていましたので、
とてもいい機会でした。
これを読んでクレモナというイタリアの北部の街にも是非行きたいと思うようになりました。
あの音色、色んな奇跡が重なった産物なのだと思います。
現在の技術をもってしてもあの音色は出せないと言われています。
それはこの本では"時間"という300数十年というどんな技術をもってしても越えられない
ものとして語られています。
確かにそれはそうでしょう。
それにここでは語られていませんが、
環境問題も大きいのではないでしょうか。
産業革命が起こる前に作られたことが大きいのではないか、という仮説です。
産業革命により、自然破壊が起こり木の伐採が進みました。これは事実ですが、
その革命以降、この空気中に排出された人間による自然以外の排出物によって
木の育ち方が違ってきているのではないでしょうか。
それは、革命が起こったヨーロッパだけではなく、空気は循環していますので、
地球上を駆け巡って、世界中の木々に影響を及ぼし、
それが時間だけではない音への影響を与え続けたがために、あのアマティ、グァルネリも同様
ストラディヴァリウスのような甘く太いながら、突き抜けるような高域の伸びと咽びなく鳴きが
出せなくなっているのではないでしょうか。
今、最高のものを作って300年後にその音が出せるのであれば、
作っておいたらいいだけのことになってしまいます。
これはもう物語であり、ある意味神話化されたものなのでしょう。
私のいった環境問題や本の中にある時間というような制約条件を超えたものなのだと思います。
先日、ワシントンDCに行った時に、スミソニアン博物館にこれを目的に見てきました。
写真にも撮ってきました。
見ている時に、とても豊かな感覚になりました。
ツタンカーメンを眺めている時のほうが、もっと歴史を感じましたが…。
それもアップしておきたいと思います。