本棚の読み物

フランシス・フクヤマ『政治の起源』

久しぶりにフランシス・フクヤマの書を読んだ。相変わらずの大作だ。ベルリンの壁が崩壊する前に書いた論文が本になり、世界中から注目された『歴史の終わり』以来の会心作だろう。今で言うピケティ並みに注目された作品だった。 この『政治の起源』も上下本…

物語の始原へ 折口信夫の方法

宗教界の大御所である宗教史・思想史学者の山折哲雄さんの本です。 お会いした時に、「この本読ませていただきました」と申し上げると、なんと難しいのを読んでますなぁ~と仰ったのを思い出します。 笑いながら、私もようわからんのですわ、と。 この本はか…

ジョナサン・アイブ

Jony Iveジョナサン・アイブ(通称ジョニー)をご存じでしょうか。 イギリス出身のアップルのデザイナーです。 彼がいなければ、今のアップルはない、と断言できる天才デザイナーです。 天才デザイナーとして、階級社会のイギリスからサーの称号も授与されてい…

チェコのプラハに行くご縁でカフカを初めて読みました。

『変身』です。読書家ではあるのですが、小説はあまり読まなかったのですが、こんな時にこそ その人から滲みでる風土観や歴史観、死生観をしりたくて、安直な考えですがカフカを読みました。 今からちょうど100年前の1912年に書かれた小説です。西田幾多郎の…

西田幾多郎著作集

とうとうと申しましょうか、ついに面倒?になり読破しようと買ってしまいました。 『善の研究』はもちろん論文は、つまみ食い的に色々と読んでいたのですが、えいやっで 買いました。 余計に面倒なことになってしまいました。(大汗) 相変わらず、本は読んでま…

谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』と真善美

東日本大震災の影響で、東日本全体が節電対策をしている。 今は季節が良いので、本格的には夏をどう乗り切るか、にかかっている。 不夜城のごとく眠らぬ都市のTOKYOだが、この節電待ったなしの状況で、街灯、ネオン、自販機の 照明、駅の構内の電気、エアコ…

『超マクロ展望 世界経済の真実』 水野和夫・萱野稔人

少し時間のゆとりができましたので、毎日一冊ペースで読んでます。 新書でしたら、中身は濃いながらも気軽に4時間もあれば読めますので楽しいものです。 1000円もしないモノでこれだけ楽しませてくれる知的な遊びはありません。 著者が気合をこめて書いてま…

加藤徹『貝と羊の中国人』を読んで

今の中国人には貝の文化と羊の文化あると、筆者は言っています。 つまり「貝」は華僑の商才や今の経済的繁栄に象徴させる中国人の現実主義のこと。 それから「羊」は儒教や共産主義に象徴される中国人の強烈なイデオロギー性はのことです。 その二つの源は貝…

三島由紀夫の『文化防衛論』

最近、昭和30~40年代のものを読んでいます。 オーディオのことをここのところ書いていますが、 最近は圧倒的に本を読む時間のほうが多いのです。 一日一冊ペースという感じでしょうか。 次から次へと「読んで欲しい」と本棚の本が叫んでくれているようです…

歴史物 西洋と東洋の本

本のことを書くのはとてもご無沙汰になってます。 和歌山に先週末から帰ってきて、これらの写真の本をこの休みに読もうと思っています。 ローマ帝国のものと江戸時代になる前の秀吉の心の動きを読み取れたらと思っています。 秀吉のものは割合好きなんだ、と…

西田幾多郎の『真 善 美』 truth, goodness, and beauty

最近、バタバタとしていて少し本を読むペースがおちていたのですが、 大きな本屋さんに眺めに行きました。 たまにゆっくり眺めにいくのです。 それでこの本を購入しました。 西田哲学は非常に難解です。 いや、哲学は洋の東西を問わずそうですが、難解なもの…

縄魂弥才を超えた縄魂弥魂(じょうこんやこん)というコンセプト

この2週間ほどで読んだ本についての感想です。 松岡正剛さんの『日本力』を読んで、我々は日本人として分母を多くしないといけないと 感じています。 つまり、「伝統が廃れたのではない。むしろ伝統は保存されるべき文化財のほうに 追いやられ、知覚身体から…

丸善、主宰。松岡正剛、編集。松丸本舗

創業140年を迎えた書店「丸善」と知の巨人、編集工学研究所所長の松岡正剛さんの コラボレーションによる書店の新たな試みとして 松岡さんの書斎がそのまま本屋さんになったような企画ができたようなので、 通りがかりに、丸の内の丸善の4階に行ってきました…

ストラディヴァリウス

ジローさんが読まれて、推薦されていましたのでこの正月休みに読みました。 もともとバイオリンやヴィオラ、チェロという楽器を使った演奏を好んで聴いていましたので、 とてもいい機会でした。 これを読んでクレモナというイタリアの北部の街にも是非行きた…

外山滋比古さんの『思考の整理学』

かなり前に出された本がこのところ、急に売れ出したと言われ、 先日NHKの「おはよう日本」で特集が組まれていました。 100万部を突破したということです。 一応そういうのは、読んでおこうと買いました。 日ごろはこのようなノーハウ本は読まないのですが、…

宗左近さんの読み物 詩について

最近、ちょっとこの方の本に凝ってます。 縄文を語らせると煩いというか、凄い一人だと思います。 あと二人は、梅原猛さんと岡本太郎さんでしょうか。 最近では、環境考古学者の安田喜憲さんも気合が入っているでしょうね。 先週も一緒に酒を飲みましたが、…

マッハの『感覚の分析』

物理学者の思考の広さ、深さに驚かされますが、この方もその一人のようです。 オーストリア人です。 昨夜読もうとしたのですが、 さすがに前日3時間程度しか寝ていなかったので、 とても良い睡眠薬になりました(笑) ひろもとさんからご紹介されてこれから読…

沈まぬ太陽・・・山崎豊子著

最近あまり音楽を聴けてません。 仕事が少し忙しいのと、本を読んでいるからです。 本は今、かなり読んでいます。 その合間に読もうと、この10月に映画化(渡辺謙主演)される『沈まぬ太陽』を読みました。 合間といってもこれだけの長編ですので、そう簡単に…

村上春樹著『1Q84』読みました

先週の出張前の土曜日が久しぶりに休みでしたので、連休となりました。 それでというか、話題の書を世の中に後れをとらないように(笑) あまり読まない小説を読みました。 小説だから土日の合間に読めると思っていたら、そうは問屋がおろさない、でした。 長…

コンラート・ローレンツ『文明化した人間の八つの大罪』

最近、忙しくしているので、インプットが少なくなっている。 アウトプットぱかりでは、脳が退廃していってしまうような感覚になる。 昨日は、土曜までがとても忙しくて全く音楽を聴く間もない(まず家に帰れていない)状態だった。 脳が疲れている、というのを…

「pen」という雑誌

電車の吊看板でチラッと見ました。 早速購入しました。 それは「完全保存版 日本文化の源流を訪ねて 神社とは何か? お寺とはなにか?」 がメインタイトルだったからです。 最近、仏教や神道の本を濫読していますが、世の中の流れも何か、同方向に向いてきてい…

自然の中で、梅原猛さんの『日本人の「あの世」観』を読む

今日から6月ですね。和歌山でちょっと用があるので、今日まで和歌山に居ます。 天気が良くて爽やかでとても気持ちの良い季節です。 ヨーロッパはこの6月からが農業のハーベストの活動時期に入るようです。 さすがに日本より緯度がかなり高いので、2月は遅い…

ユクスクュル/クリサート著『生物から見た世界』

1970年に世に出た本なので、もう40年近く前の認識のものである。 しかし、全く古さを感じない。 それは、ここに書かれている実証実験は古いものもあろうが、考え方自身は未来永劫 必要なことだと思うのである。 いや、今の時代だから余計読む必要があると思…

西洋文明と東洋

やっと白川静さんの『漢字』を買いました。 それから梅原猛さんの『地獄の思想』もです。 どちらも一般書として世間の目に触れたという点で処女作と言えるかもしれません。 いずれにしても東洋というものが何なのかという、ひと括りにできないものを 解明し…

文字が発信する世界観・・・漢字

ある程度、何事も理解するには、その類の本を集中的に読んだほうが良いと思いますので、 買い始めました。 本当は、一般向けの処女作である『漢字』(岩波新書)が良いのでしょうが、 近くの本屋さんに置いていなかったので、 松岡正剛(2008)『白川静-漢字の世…

『別冊太陽』 「白川静の世界 ~漢字のものがたり~」

ひろもとさんにご紹介頂きました「白川静の世界」を購入しました。 白川静さんの著書は初めて読みます。 これを読み出すと、松岡正剛さんもかなり影響を受けていらっしゃることが分かります。 梅原猛さんもしかりです。 漢字の基層を研究することは、全ての…

仏教を知る

昨年は、中東に2回も旅をしてきました。 もちろん仕事です(冷汗) 一神教の聖地である、エルサレムにもやっと足を踏み入れました。 このエルサレムについては、一度世界遺産のところでとりあげないと、と思っているのですが・・・。 そんなこんなで、ここ数年一…

利休にたずねよ

直木賞受賞作『利休にたずねよ』です。 山本兼一さんという、いま脂がのっている作家だという。 私はあまりこのような小説は読まないのですが、先日、京都の茶室でお茶をよばれる機会に恵まれました ので、ちょっと何か読んでいかねば、とこの本を手にしまし…

中谷巌著『資本主義はなぜ自壊したのか』

話題の著ですね。 読みました。 これを読んで、皆さんはどのように感じていらっしゃるのでしょうか? 内容として、その人物の文脈として・・・。 潔さととるのか、今さらととるのか、・・・ 私たちは、間違いなく年を重ねていきます。 その重ねるごとに、何かしら背…

フランシス・フクヤマ著『歴史の終わり』

歴史家や著名人が歴史を語る時によく引用される著名な本である。 名前と文脈的な観点からは、少しは理解していたが、まだ読んでいなかった。 大著である。 これだけの、主張ができるって、すごないなぁと関心しながら読んだ。 批判もあるだろう。 でも、この…