沈まぬ太陽・・・山崎豊子著

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 最近あまり音楽を聴けてません。

 仕事が少し忙しいのと、本を読んでいるからです。

  本は今、かなり読んでいます。

 その合間に読もうと、この10月に映画化(渡辺謙主演)される『沈まぬ太陽』を読みました。

  合間といってもこれだけの長編ですので、そう簡単には読めません。
 それで、寝る時間を削って読んでました。
 
 一週間ほどで読みましたが、その一週間は疲弊しました。

  仕事、他の難しい類の本、音楽は少しでも聴きたい(イージーリスニング的には絶対に聴かない)
 ので、睡眠があまりとれませんでしたので、
  大変でした。疲れました。

 昨日は仕事から9時前に帰ってきて、倒れこむように寝ました。
  6時前に起きて、それでもやはり今まで本を読んでましたが、
 8時間ほども寝たのは最近では覚えがないほどです。

 世の中は民主党連立政権が誕生するのでしょうが、テレビも新聞も読まない私には静かなものです。
 
  でも野党から与党になると、大変でしょうね。
 一字一句の言葉の重みが段違いに変わる、つまりパラダイム的な転換をする世界と認識するには
 かなりの時間がかかると思います。
  それを我々国民は選択したのですから、温かく時には厳しくですが、見守る必要があります。
 寛容に見守れるのか、その我々の忍耐力も試されるのかもしれません。

  そうとう混乱することは間違いないことだと思います。
 心地よい言葉の背後がいかなるグローバル社会との連関性として影響を与えるのか、を身をもってその恐ろしさを実感することだと思います。

  その学習機会を我々は与えたし選択したのだと思います。

 余談かもしれませんが、アメリカの場合、メディアと新政権の間では協定のようなものがあり、大統領 就任後100日間は、大統領に関して批判的な記事を書かないのだそうです。
 オバマ大統領の場合は喫緊の課題がメジロ押しだったのでそんなハネムーン期間などなかったのかもしれませんが…。


 そんなこんな情勢の中で、この本を読みました。

  このどろどろの利害関係の会社構造とそれに群がる利権の腐敗を暴いた凄い作品だと思います。

 この主人公の恩地元の精神からくる行動は私には理解はできても真似はできません。
 私自身はそのような選択をしてこなかったからです。

  このような世界にはいたこともあります。
  ずいぶん見てきました。

  それを捨ててもきました。私にはそこまで人生をかける勇気はなかった、と言えると思います。

  しかし、このような恩地が辞めずにいる、そこにはこの国民航空の将来がまだある、ということを示唆しているのだと思います。

  郵政のごたごたもよく分ります。簡単にはいかない問題です。それはこの小説の国民航空を郵政という字に置き換えて読めると思います。

  また、520人の史上空前の大惨事を出したその時も私は少しだけですが、関わっていて一睡もせず朝まで報道を見ていたことを覚えています。

 それにケニアの地名が何か所か出てきますが、そこも行ってきて情景が浮かびます。
 スラム街も普通は行けないのですが、連れてもらいました。
 
 そんなこともあり、この小説は私にとって今までになくのめりこんで読みました。

 映画も観に行こうと思っています。