モノラル・フォノイコライザー・アンプの視聴

 最新の『STREO SOUND』
 No.173号のP126ページの評論家が製品のコメントを座談会形式で
 行っている欄がありますが、

  そこで、菅野沖彦氏は

   …レコードの盤面に針を落として音が出るまでのサーフェイスノイズの質が
   素晴らしいんです。下手に音楽を聴くより、このノイズの質を聴き分けたほうが
   音がわかることがありますけど、そこでもう、このプレーヤーはいいと思った。

 と語っています。


  私も全く同じことを語っていますし、いつも感じています。

  今回、このフォノイコを大幅改良してもらってまず確かめたかったのが
  そのところです。

  それで、まずカートリッジの針の先端をいつも掃除するのですが、
  その音を聴いて確かめました。

  明らかに変化していることが分かりました。

  そのノイズの音が表面的かどうかです。
  言葉で表現は難しいのですが、

  低域、中域の音の厚みがあるかがポイントです。

   ある高級オーディオショップでその仕草をしている時に、ボリュームを絞らずに
  音出しをしてもらうことがあります。

   それでもう聴きたくない、と思うことは結構あります(笑)

  とても失礼なことをしたことがあります。
 
   ちょっと聴かせてもらい、ケーブルを交換してもらいました。

  それは、とても安いものに交換してもらいました。
  どのケーブルにしますか?と聞かれましたので、

   けっこう色々とおいていましたので、

   一番安そうなものを指定しました。
  
  とてもよくなりました。バランス、雰囲気ともです。

  それはそこのスタッフの方も、「良くなった」と仰いました。
  高価なケーブルを使うということは、それだけ嫌な音も出して
  しまうということです。

   もちろん高価なケーブルにすることは、大事なことで私なんかは
  ほぼヨルマ・プライムになってしまっています。

   今回のバージョン・アップは周りの機種の性能を出していなかったな、と改めて
 認識させてくれました。

  もうこれは凄い世界です。

  哲学でもまず
   枝葉を勉強するのではなく、

  プラトン、カント、西田幾多郎(『善の研究』以後の道徳観念も含めて)の極みを
  ある程度理解することが大事だと言われています。
  その頂上にまず上り、そこから色んな哲学者を眺められるようにすることが
  哲学を勉強するうえでとても重要なことだということです。


  オーディオは趣味性が大きく連関していますので、頂上とは何か、を定義すること自体に
 無理があるところですが、

  今回の開発は
  師匠に
  FMアコースティクスの811のパワーアンプのモノラル仕様の2011とモノラルのプリアンプという
  とても超効果なもので、しかもストイックなまでに追い込んでいらっしゃる方の音を
  聴いてもらったことが良かったと感じています。

  世の中の頂点は何か、ということを
  認識する(できる)ことで、
  それを越えようと努力するか、それが認識できるまでに至っていないか
  を師匠がどのように受け取ったかが、
  私に分かるわけです。

   この師匠は只者でない、と私は以前からお付き合いさせてもらって感じていましたが、
  今回も感じたわけです。

   そのFMの方も感じたようでした。
  ここでは書きませんが、聴いた瞬間、すみませんちょっとこの部分、
  ということをすぐに指摘というか、その方のプライドを傷つけないように
  見事に指摘しました。
  
   おそらくその方は躊躇したと思います。

  後から、その方から電話があり、率直なところ師匠の感想を教えて欲しいと懇願されました。
   
   しかし、それは言えませんでした。

  もうその時、今はトントンの勝負であるということを感じていて
  今度の「スーパーアンプ」を作ればもう十分に勝るものになると、
  それを聴かせてもらって感じたようでした。


   今回の大幅なバージョンアップはそれを見事に具象化してくれました。

  さすがなものです。

   世界的なアンプメーカーから目をつけられてきています(提携契約話)が、
  もうそれも納得の音です。

  登山をして、苦しい後に、達成感とともにあの視野の広がった世界がある、
  という感覚を
  この現出された音空間から感じています。


  "拍手喝さい"


  師匠有難うございました。