比較文明学

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 神川正彦、川窪啓資編『比較文明学の理論と方法』朝倉書店(1999)の総論の神川さんが書かれた8ページの部分を引用すると、


    新しい「枢軸時代」の方向性において思想の座標軸を正しく位置づけなおすためには、
   端的に言って、デカルトによって定式化されたあの二元的体系性を逆に手引きにして、
   ものの見方の基本を語ることできわめて明瞭に示すことができるのではなかろうか。
    主観・心・質・目的性・感情・自由・実在---客観・身・物質・量・因果性・理性・
   決定論・本質という体系性を、まさしく二元的に分離して、一方的に単純化して
   「排除のパラダイム」を求めるのではなく、それらをすべて多元的に含み込みどこまでも
   複雑な構図を複雑なままで受け止め、「関係の認識」のための「接合のパラダイム
   を求めることではなかろうか。
    モランは、われわれの観念を文明化するためには、科学的認識と哲学的に認識と価値
   とのあいだのダイアローグをすべてふくむことを求めるのである。科学的認識だけが
   優位して、他の認識(哲学・宗教・常識・価値など)から切り離されて、アリストテレス
   論理に依拠するような西洋文明の大パラダイムデカルト的定式化に由来する19世紀(近代)
   学的パラダイムの唯一性と排除の時代はいまや終わったのである。


また、伊藤俊太郎編『比較文明学を学ぶ』世界思想社(1997)に、同神川さんがディアクロニズムとシンクロニズムということを書いています。

 私は元々、学校時代は歴史は大嫌いでした。試験対策の勉強もしませんでしたから、成績もよくありませんでした。
 でもこの東西思想の比較とか、地理的に離れていながら、シンクロしている歴史にとても興味が湧きます。
 これは何なんだと。その根本は、私は地理が好きなんです。地学も好きでした。
 つまり、地理的な条件や気象が人々に与える影響は多大であり、それが歴史を作ってきたんだと
 思うと、歴史に対する見方が180度変わったのです。
 新たな気づきだったのです。

 この4日間、この4冊と向き合いたいと思っています。

 他の本にも浮気しそうですが・・・(笑)
 それにオーディオと