#歴史

アウシュビッツとツェラン 「死のフーガ」

日本に帰ってきました。 私自身、世界遺産には平均的な日本人よりは数倍訪れています。 最近は、その訪れた喜びよりは、その背後にある「暗い影」のほうを強く感じるように なりました。 訪れている理由もそこにあるのですが…。 世界遺産そのものも、いわゆ…

岩手県遠野市のカッパ淵 (柳田国男の世界)

日本中寒気団にすっぽり包み込まれ、冷蔵庫の中のような状態ですが、 そんな中でも、日本の市としてトップクラスの気温の低さに位置する岩手県の山の中にある 遠野市に行ってきました。 今回の震災で沿岸地域が壊滅的な被災をされましたが、その時の後方支援…

奈良の2つの大仏

1200年前に建てられ、幾多の火事や災害にも耐えて受け継がれてきた東大寺の大仏。 そこの場で鋳造された中では世界最大で古いものだという。 もちろん日本の技術ではなく、遣唐使によってその技術や士がやってきて指導のもと建てられたの でしょう。 仏教が…

聖徳太子の法隆寺

猛暑日が日本中で続いています。 そんな中で、 とにかく暑い暑いと言いながら、先ほどまで行ってきました。 日本全国うだる様な酷暑のようです。奈良、京都は盆地で格別のような気がします。 今は京都のホテルに戻って、シャワーをして書いてます。 以前の一…

縄魂弥才を超えた縄魂弥魂(じょうこんやこん)というコンセプト

この2週間ほどで読んだ本についての感想です。 松岡正剛さんの『日本力』を読んで、我々は日本人として分母を多くしないといけないと 感じています。 つまり、「伝統が廃れたのではない。むしろ伝統は保存されるべき文化財のほうに 追いやられ、知覚身体から…

フランシス・フクヤマ著『歴史の終わり』

歴史家や著名人が歴史を語る時によく引用される著名な本である。 名前と文脈的な観点からは、少しは理解していたが、まだ読んでいなかった。 大著である。 これだけの、主張ができるって、すごないなぁと関心しながら読んだ。 批判もあるだろう。 でも、この…

比較文明学

神川正彦、川窪啓資編『比較文明学の理論と方法』朝倉書店(1999)の総論の神川さんが書かれた8ページの部分を引用すると、 新しい「枢軸時代」の方向性において思想の座標軸を正しく位置づけなおすためには、 端的に言って、デカルトによって定式化されたあの…

伊勢神宮 内宮・・・1

『古事記』『日本書記』の神話のいざなぎの尊といざなみの尊の間に生まれた第二子である 大日霊貴尊(おおひるめむちのみこと)こと天照大神をまつる宮である。 太陽神として有名である。天岩戸の神話とても有名な話があることはご存じだろうか。 式年遷宮と言…

『地中海』

フランスの歴史家フェルナン・ブローデルが著した文字通り歴史的な大著の 『地中海』である。 原題は『フェリーぺ二世時代の地中海と地中海の世界』だ。 16世紀後半の歴史書なのだが、方破りである。まず博士論文であるのに、そのような窮屈さ がないという…

神田古書店街

久しぶりに神保町の古本街に足を運んだ。 まずまずの賑わいぶりでしょうか。 昔からのビジネスモデルのままの街です。 良いような、悪いような複雑な感じがしました。 今はネット社会で物流も発達しているので、そのノーハウを活かして、アマゾンなんかと 組…

褐色のマリア (グアダルーペ寺院) メキシコシティ

今回、ペルーとメキシコを巡ったが一番行きたい場所であったのが、このグアダルーペ カトリック寺院だ。 1531年12月9日に出現した褐色の聖母マリア像が浮かび上がったという奇跡のティルマ(マント)がある。 多勢の信者が巡礼に訪れていた。ひざまず…

日本文明について、どのようなものだとお考えですか。

サミュエル・ハンチントンは有名な『文明の衝突』のなかで、日本を「八大文明」の一つと定義し た。 「一国一文明」という範疇では世界で唯一無二な存在である。 文明の大きな位置にある経済的な側面においても、GDP(国内総生産)で1970年には、当時の西ドイ…

内村鑑三『代表的日本人』1908年

日清戦争から日露戦争の動乱期に相次いで、3人が日本語としてではなく、英語で書いた本である。 いずれも、長く閉ざされた江戸時代が終焉し、西欧化に向かって突き進んだころのこと。 つまり、このまま西欧化に突き進んで良いのだろうか、という疑問がもた…

戦後60年を超えて。。。その2

専門ではないが、最近この類の本をよく読んでいる。 たまたま、日経新聞(2007/9/5朝刊)の「経済教室」に異分野の視点として 「「モラルの経済」を追求せよ」という日本人からすれば、「しっくり」と くるまとめがされていたことから、著者を知らなかったが、…

第二次世界大戦後60年を越えて

日本は、第二次世界大戦で米国となぜ無謀な戦いを行ったのか、定量的な把握力も日本軍の幹部にはあったはずだ。 意思決定意する前の認識において、十分に踏みとどまれたのではないか。 そのことは山本七平さんの『空気の研究』によると、そのような意思決定…

戦後60年を越えて

テレビでもお馴染みで、オピニオンリーダーの1人の中西輝政氏の本です。 安倍政権のブレーンとも言われる方です。右より、いやかなり右の考えの持ち主です。 60年経たないと歴史とは言えないという方です。 30年程度の親の世代は「主観に基づく歴史」で、孫…

ネイティブ・アメリカンの口承史

あるオーディオの友人T氏から、勧められたことがこの本との出合いである。 アングロ・サクソンと言おうか、アングロ・アメリカンの人々は歴史を振り返ろうと しない。 それは元々、歴史あるイギリスから、その歴史を捨てて新世界を創る為にやってきた人々 で…