オランダのカートリッジです。
オーディオケーブルなどで名前を聞いたことがあるかもしれません。
COLIBRI(コリブリ)と合わせて、ハイエンドのカートリッジです。
わが師匠はこのコリブリを使っています。
非常に素直なカートリッジで、「いつまでも聴いていたい」というカートリッジでは
ありますが、聴いた瞬間はそれ程の良さをアピールするものではありません。
また、ある超ハイエンドの機器を揃えたお宅でも何回か聴かせてもらっていましたが、
先ほど「素直な」と書きましたが、素直に鳴らすのがそれ程容易くないカートリッジとの
認識でした。
本当のハイエンドになると、周りとの関係性がとても重要になってきますので、
そう簡単には、素直になってくれないものです。
この2日間、相当に調整しながら聴きこみましたが、結果は素晴らしいものでした。
私は永年ライラのTITAN(タイタン)を使っていますが、かなり性格の違うモノです。
タイタンは、非常なカミソリのような切れ味でもって、力強く牛耳るような鳴りっぷりです。
それでいて、情報量も多いのでディーテェイルまで、見事に表現してくれます。
濃淡もよく表現してくれます。
それからこれにスイッチすると、かなり大人しい音になります。
私は大人しいハイエンド商品は、この段階で只者ではない、といつも感じます。
聴けば聴くほどその良さが伝わってきました。
それほど、自己主張はしないようなのですが、実はかなりしているように感じました。
あのダイヤトーンの2S-3003の解放感のある、何でも出し切るような鳴りっぷりが、
性格が変わったような落ち着いた鳴り方をします。
そのうえ、驚いたことにあのウーファをタイタンよりも制御して鳴らし切ります。
これには驚きでした。
それで、もうあまり聴いていないティールCS5に繋ぎ換えて聴いてみました。
やはりその傾向は同じでした。このティールの低域はもの凄く超低域まで伸びてはいるのですが、
それがなかなか言うことをきいてくれません。
それを5wayのダブルのスーパーウーファーまで制御しているのが分かります。
恐ろしいカートリッジです。
高域も自己主張はあまりしないのですが、良く伸びて聴けば聴くほどその
情報量の多さに驚くことばかりです。
これはタイタンを上回っていると言って良いでしょう。
もちろん好みの問題はありますが、シンフォニーの奥で奏でている幾多の楽器類のそのリアリティ
さを比べてみるとタイタンは力強く鳴っていて素晴らしいと思っていました。
それがBB-SPXにすると鳴っているのではなく、奏でているという心に訴えるものがあります。
まだホンの10数時間ですので、あまり褒めすぎるといけないのですが、
これほどまでのカートリッジがあったんだ、と認識を新たにしました。