アウトプットぱかりでは、脳が退廃していってしまうような感覚になる。
昨日は、土曜までがとても忙しくて全く音楽を聴く間もない(まず家に帰れていない)状態だった。
脳が疲れている、というのを感じるのだ。
そんな状態では、本は読めない。読もうという意思はあっても脳が受け付けてくれない。
そういうこともあり、昨日は、ゆったりと音楽を聴くつもりであった。
実際そのような聴き方をしていた。
しかし、結果はより良い音を求めて、あぁだ、こうだと調整しながら聴くという、
いつものスタイルになってしまった。
それでは、全く脳を休めていないではないか、という感じではあるが、
脳というのは、恐ろしく複雑で、引き出しも色々とあるらしい。
違う引き出しを使うことで、疲れていた脳が休まるのか、
今日は本を読むことを受け付けてくれる。
ローレンツがこの本の中でも言っているように「人間は、現代の忙しさのために、行動する前に
試し考える時間を奪われている」
私は試し考える時間を奪われないように、どんなことをしてでもステレオの沈思タイムを
つくっている。
それが本を読むことと、仕事をすることと、オーディオの調整の関係性となって
上手く結びついてくれる。
ということは、沈思する時間を、何をさておきファースト・プライオリティにしている
のであるから、私の中心にはオーディオがあるのである、ということになる。
この本もその深慮するための一つの大きな示唆を与えてくれる本なのだ。
ウィーン生まれの、生物行動学の世界的権威で、1973年にはノーベル賞医学生理学賞を受賞
している。
この方ほど、生物と人間を等値においた者はいないのではないか、と思う。
いや、等値というより、それぞれの生物の優れているところを認め合うまでに
同化している凄さである。
この本は、それらの生物の行動を通してというか、超えて抽象化し、人類への警鐘を
促す名著だと思うのである。
他にも処女作の『ソロモンの指環』や『鏡の背面』など多数あるが、
読みやすさと現代社会への示唆という点で、この・・・・をお勧めしたい。
宜しければご一読を。