それでというか、話題の書を世の中に後れをとらないように(笑)
あまり読まない小説を読みました。
小説だから土日の合間に読めると思っていたら、そうは問屋がおろさない、でした。
長編であることは、このbook1,2を手にとってみた時から分かっていたのですが、
流し読みできないほど、表現が緻密ですごく教養を問われているような感覚で読み進めました。
やはり日本の小説家らしく、日本の花鳥風月を感じました。しかし、この作家は、
日本語で書きながら、外国人をとても意識して書いているな、と常に感じさせました。
ノーベル文学賞を意識している?
というのは、考えするぎでしょうが、以前から感じていた神秘性、それに宗教性を感じつつ、
日本の娯楽番組の「必殺仕置き人」も感じさせてくれます。
著者はそのような娯楽番組を意識して書いていないでしょう。日本人に対してはあったかも。
しかし、世界、特にアメリカ人はこの作家をとても愛している方が多いと聞きますので、
あのウィルソン主義、つまり理念国家のアメリカそのものを感じるタッチに仕上げたので
ないでしょうか。
ちょっと詮索しすぎ???
そして、ヨーロッパの人々には、一神教以前のシャーマニズムを感じさせる、呼び起させる
何かを感じさせるものに仕上げたのではないでしょうか。
その下敷きに、ヤナーチェクの『シンフォニエッタ』の交響曲をもってきたり、
ロシア文学を感じさせたりと、とても刺激を受ける読み物でした。
戯曲的なものではなく、本物の文学というものを感じさせてくれましたし、
日本発の素晴らしい小説をこれから、世界に発信するのだと思うと、少し誇らしげな感覚も生まれました。
もう読まれた方も多いかと思いますが、まだの方は是非読んでみてください。