宮崎県S邸オーディオ訪問記  視聴記

イメージ 1

イメージ 2

 率直に書きたいと思います。

 アナログプレーヤーがスパイラルグループ(SPIRAL GROOVE)のSG2とカートリッジはVAN DEN HULの最新 のコリブリでプラチナ巻きです。 

 アンプは最初にハイエンドオーディオとして評価の高い
 DARTZEELダールジールNHB-108 NS プリアンプとNHB-108 MODEL ONE ステレオパワーアンプ
 です。

  スピーカーはソナス・ファベール「STRADIVARI Homage(ストラディヴァリ・オマージュ)」
  です。その上にスーパーツイーター エラック ELAC 4PI PLUS.2を取り付けて
  聴きました。

 とても深入りしてお付き合いしていますので、好きなように変更もしてもらいました。

 聴いた第一印象

 カートリッジは素晴らしいな、
 スーパーツイーターが邪魔だな。

 というのが本音でした。
 私は空間というものをとても大事にします。

 スーパーツイーターによって高域と超高域のクロスオーバーのところが濁っているのでしょうか、
 接続しているな、というのがとても気になりました。

 これは実はスーパーツイーターを使っていらっしゃる全てのお宅で感じることです。

 ショップでも外してもらうことがあります。
 せっかくの空間が台無しになるからです。

  ハイエンドのスピーカーの製作者は高域の伸びの不足が分かっていて製品化するとは到底
 思えません。
  どのスピーカーの高域もかなり伸びていると感じています。
 それが出ていないのは、スピーカーのツィーターに問題があると思っているのでしょうが、
 おそらく違うところにあると思っています。

 今回も聴かせてもらって、凄く高域が出ているのにスーパーツイーターを接続することで
 本来の良さが出せていないのでは、とすぐに思ってしまいました。

  私はエラックのスーパーツイーターが悪いと言っているのではありません。
 むしろかなり良いものだと思っています。
  ただ、このクラスのスピーカーには全く必要がないということです。

  私がよく使う「音と音のあいだ」が消滅してしまいます。
 ホールトーンが打ち消しあってしまって出なくなります。
 世にいう「倍音」を大事にしたいのです。

  これが心地よさであり、実際に聴きにいっても心地よさは楽器や肉声の基音から発して倍音となる
 部分に我々は良さを感じ、癒されたり感動するのだと思います。

 外してもらって繋がりはよくなりましたが、まだ中低域あたりのもたつきも感じられました。
 
  全体として一音一音が力強く前に出てきているような感じで、スピーカーの存在感があります。
 
 かなり以前の私の意識下では、この方向性を求めていたことがあります。今でもかなりの方は
 求めていると感じています。

  その後綿密にプレーヤーの調整を行いました。
  これにより先ほどの倍音が少し感じられるようになりました。
  が、スピーカーは存在しています。
  音が音として存在している、という感じでしょうか。
  シンクロニシティという共時性が不足していると言い換えても良いかもしれません。

  それで次に私の持っているのとほとんど同じの師匠作(もうすぐブランド名が付きます。)のモノラルパワーアンプにつなぎ替えました。

  予想通りというか、予想以上にシンクロニシティが感じられるようになり、倍音も豊かに出る
  ようになりましたる
  これにはSさんは相当ショックだったようです。
  ダールジールが全く歯が立たない状態だったのです。
 
  これは後ほど何回も繋ぎ戻して試しましたが、誰が聴いても同じ結果でした。
  音が前に出てきて、共時性があるというシンクロニシティは達成されつつありました。
  スピーカーの存在もほぼ消えましたが、まだ少し中低域あたりが気になっていました。

  ここまでは8~9時間のやり取りです。

翌日は私がメインとして使っていますやはり師匠作のシングルプッシュを繋ぎました。
  予想通りスピーカーが消えました。
  倍音もさらに感じるようになりました。
  さすがにストラディヴァリ・オマージュは良くできたスピーカーだと感じました。
  良くできたスピーカーだから、追い込むとスピーカーが消えるのだと思います。
  中低域の気になったところも、気にならなくなりました。

   実はスピーカーが消えるまで、アクセサリー類はかなり入れ替えました。
  つきつめれば突き詰めると分かるのですが、どカーボンは音が滲みます。

  この間ははやり8~9時間。
  本当にオーディオづけですね。

   私もオーリュージュや他のカーボンは殆ど試しました。最高級の電源ケーブルを含めて。
   サブシステムでも使っていたのですが、それも止めました。
   家の棚にはいくつも使わずに眠っています。

  当初の音からは見違えるほどの微細な音が奥で定位しています。
  奥で定位し、しかもその音の鮮度が落ちずにいるということは、非常に難しいことです。
  特に低い音が定位感を伴って、音が重ならずに演奏している感覚が伝わってくるということは
  非常に難しいことです。
  それが達成されつつありました。

   まだ難を言えば、ボーカルの喉の奥で音程を合わせているプロのテクニックを感じる
  ところまでは行ってません。
  しかし、我が家を超えているところも感じることが出来ました。

   またそんなに遠くない時にお邪魔したいと思っています。

  丸2日間それものべ20時間近い時間を聴いていたというか、触っていました。
  とても疲れましたが、愉しいひと時でした。

   もう梅雨入りしていましたので、雨ばかりで本当に鹿児島、宮崎に行った感覚は無しで
  帰ってきました。(…これは残念なことでした)

  Sさん本当にお世話になりましたし、好き勝手に音創りをさせてくださったことにも感謝します。