瀟洒な音

瀟洒は(しょうしゃ) と読むようです。
辞書によりますと、
すっきりとあか抜けしているさま。俗っぽくなくしゃれているさま、だそうです。

枯淡なストイックさの中に、優美な日本的な味わいを含めたことでしょうか。実体としてのイメージは能の舞か?

枯淡は中国生まれのコンセプト。宋的な厳しい削ぎ落としたもの、になるでしょうか。それだけでは日本には受け入れられない。優美と合わせ、日本の美意識に昇華する必要があります。
わびは、日本生まれのコンセプト。
枯淡のようなイメージは有りますが、日本のわびには、モノクロの淋しさのなかに、一点の温もりの色が加味されているように思います。
枯淡>優美が瀟洒
瀟洒のもう少し進んだものが、粋なのです。源豊宗は『日本美術の流れ』で語っています。
松岡正剛風にいえば、数寄になるでしょうか。
松岡先生どうでしょう?一度今度お会いした時にでも。

このような、とても繊細かつ写実でありながらも、日本的なわびの一点の温もりと色を入れることで、立体感のある空間が生まれるのだと思います。
九鬼周造の言った「粋」のなんとも言えない、ずらしたところに人間が心地よさを感じるのではないでしょうか。
こんな曖昧な中にある機微なる音づくりをしたいと思うのです。
そんな思想を持った音を伝えてくれる日本のメーカーが出てきて欲しいと思いますし、この世界は厳しいですが、必ず他との関係性で活きるのだと思います。
今の時代は、特にグローバルな社会で生きて行かなければ、生き残れません。
先ほど書いた思想の重要性も、文脈を示して、国家を超えた人々に納得性を与えなければなりません。
思想を含め、人は耳で聴く前に脳で洗脳された上で、聴いてもらうことがとても重要なのだと思います。
そんな視点がオーディオにも、いやオーディオには特に必要だと感じるこの頃です。
目指したい瀟洒な音です。