本棚の読み物

親鸞の浄土

書籍に関して、久し振りにここに書きます。 山折哲雄さんの『親鸞の浄土』です。 ご本人から親鸞についてまとめている、とお聞きしていたのですが、 このアートディズの出版社の社長とお会いする機会があり、山折先生と知り合いということで、 この本を頂い…

老子のタオ

加島祥造さんが書いた『タオ』です。 もちろん老子の道(タオ)です。 哲学、倫理書ですが、81章を加島さんが、現代語訳した詩的なタッチで 書かれたものです。 読むのに2時間もあれば読めるのですが、 その中身をしっかりかみしめながら読むと、どれだけかか…

文明の生態史観。。。梅棹忠夫

文明に関する本は、かなり読んでいるのに、この『文明の生態史観』は読んでいませんでした。 ありえない、って感じでしょうか(汗) 私が生まれる前の本ですが、読んでみて、本当に目から鱗でした。 敗戦して、10年程度の日本の状態という文脈でのことです。 …

比較文明学

神川正彦、川窪啓資編『比較文明学の理論と方法』朝倉書店(1999)の総論の神川さんが書かれた8ページの部分を引用すると、 新しい「枢軸時代」の方向性において思想の座標軸を正しく位置づけなおすためには、 端的に言って、デカルトによって定式化されたあの…

台所をのぞけば中国がわかる

中国マーケティング・リサーチャー、植野芳雄さんの会心の一冊だと思います。 これを持って中国人の考え方が全て分かるとは言いませんが、是非読んでもらいたい本です。 植野さんとは、もう十数年のお付き合いで、先日贈って頂きました。 新幹線の中で、読み…

シュリーマン旅行記 清国・日本

シュリーマン、読みました。 江戸時代末期に民間人としての見聞録です。中国との比較があって、とても貴重な文献だと思います。 トロイア遺跡の発掘で有名な方です。その発掘の6年前の手記です。 西洋的な「物質と精神」の観点から日本を見ると、物質的には…

「温暖化」がカネになる

日本人にはとても違和感のある、刺激的な表題の本だ。 あまり、このようなドライな雰囲気のする本は読みたくなかったが、 金融と環境との融合がカギになっている昨今であるのと、一神教的な考えも 一応インプットしておこうということで、買いました。 読み…

『蛇と十字架』

以前『一神教のの闇』をここに掲載した。 http://blogs.yahoo.co.jp/nao_torachan/26076364.html この著者である安田喜憲さんの名著であると思うこの蛇と十字架についての研究である。 まだ昨日から開いたばかりで、多忙な合間に少し浮気して読みだした。 根…

フラット化する世界(上)(下)増補改訂版

『レクサスとオリープの木』で有名なトーマス・フリードマンが2006年に 書いた『フラット化する世界』の増補改訂版である。 かなり書き足しているようだ。 今度は人にも焦点を当ててきている。 まだ読めていないが、アメリカ人はコンセプトを発信するのがと…

「神宮」こと伊勢神宮

今度仕事の関係で伊勢神宮に行くことになりました。 おそらく3回目になると思います。 この伊勢神宮は通称らしい。正式の名称は「神宮」という。 正しく神社のなかの神社ということでしょう。 全国に10万ある神社の頂点ということは分かっていたのですが、「…

森林の思想・砂漠の思想

どうも本の寄り道が好きなようでして、ついつい引用されていたり、以前読んだことがあって 記憶が曖昧なものは読み返したくなります。 この本もそうです。 『ヒンドゥー教』と『地中海』を読んでいたら、どうも山、山脈という地理学的なアプローチが 出てき…

『地中海』

フランスの歴史家フェルナン・ブローデルが著した文字通り歴史的な大著の 『地中海』である。 原題は『フェリーぺ二世時代の地中海と地中海の世界』だ。 16世紀後半の歴史書なのだが、方破りである。まず博士論文であるのに、そのような窮屈さ がないという…

ヒンドゥー教

キリスト教、イスラム教に次ぐ宗教人口を持つヒンドゥー教について もう少し知識を得たいと思い、少し軽めですが読んでいます。 もちろんインドが中心です。インドだけで6.9億の民がこの宗教を信仰してるそうです。 次にイスラム教を信じる人々、この人々だ…

ハーバート・A・サイモン著『システムの科学』

ノーベル経済学賞受賞者で経営学者で唯一のホルダーのサイモンの著書です。 一番有名なのは『経営行動』ですが、この本も一度読みましたが、 私が以前読んだ時より、私自身が変化していますので、理解の仕方が違っていると 思い、今年の最初の重たい本として…

フェラーリと鉄瓶…奥山清行

最近、デザインということに興味がありますので、この本を読むことにしました。 世界的に有名なピニンファリーナというイタリアの車のデザイン会社で、デザイナー として活躍した人です。 この会社は車がメインですが、その他建築物のデザインも手がけている…

松岡正剛『世界と日本のまちがい』

もうお付き合いを始めて3年半ぐらいになるだろうか。 今日、ある松岡さんが主宰する会合(別途記載)に出席してきました。 いつも誘われながら、一回も行けていなかったので、その約束が果たせたことに ほっとしています。 いつも無理をいって私のところに足を…

『The Starbucks Experience』 スターバックス

ここの企業文化は、基本は「ごみ集め」だという。 掃除が基本ということだ。 これは、日本そのものだと感心した。 日本の製造業の現場も4S運動が徹底されているところは、業績が良いと昔から言われている。 整理整頓が行き届いているところは、業績まで連動…

辻井喬『新祖国論』

あの西武流通グループの総帥だった堤清二さんのペンネームの辻井喬さんの名で出した ところに、本音を書くため、と感じたので買ってみた。 もしかすると、ご自身が行為としてされてきたことに対する、 大いなる反省という認識 にたって書かれた本かもしれな…

『暗黙知の次元』マイケル・ポランニー著

暗黙知は経営学者の一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏が、経営学の分野で世界的に認知させた 言葉である。 tacit knowledge(暗黙知)からexplicit knowledge(形式知)への変換の重要性について20年ほど前から 提唱している理論である。 ただ、この暗黙知は元々は…

神田古書店街

久しぶりに神保町の古本街に足を運んだ。 まずまずの賑わいぶりでしょうか。 昔からのビジネスモデルのままの街です。 良いような、悪いような複雑な感じがしました。 今はネット社会で物流も発達しているので、そのノーハウを活かして、アマゾンなんかと 組…

大橋力著 『音と文明』

アマゾンで昨日注文をしたら早速到着しました。 私自身オーディオを趣味としだした中学2年から30年以上「音」について追求してきましたが、 ある意味、その音について、多方面からの情報収集には思考を巡らしていなかったことに気づき ました。 また、ここ3…

『一神教の闇---アニミズムの復権』

以前から劣位のパラダイムについて述べてきているが、一般的な西欧社会の常識として、アニミズム 的思考は、一神教の超越的秩序の宗教より、劣っているというのが一般的のようだ。 これに対して、この書籍は真っ向、異議を述べ、そのパラダイムが全く間違っ…

『京都花街の経営学』

大阪への日帰り出張があったので、京都もとおることだし、 少し、憧れ的なところもあるし、単なる紹介本でもなさそうなので 買って読んだ。 それほど、突っ込んだ内容ではないが、花街のビジネスモデルを理解するには 良い本だと思う。 この方も知らず知らず…

自由からの逃走

エーリッヒ・フロムの名著である。 最近、文明、文化、階層社会のことを考えているので、なぜかこの本をもう一度読んで見たくなった。 もうかなり前に読んだ本だが、まず題名がとてもパラドックス的だったので、それに興味を示して 読んだ記憶がある。 難し…

十二番目の天使・・・感想

『十二番目の天使』読みました。 このような類の本はなかなか読まないのですが、 ご推薦いただいたので読みました。 ぼろぼろに泣けるよ、この歳になると 涙腺が弱くなるのか、とにかく読んでみて、というので読みました。 可哀そうだったけど、あまり途中ま…

十二番目の天使

オグ・マンディーノ著 坂本貢一訳 先日、ある同い年の会を結成した。 ある会社の子会社の社長、取締役、ベンチャーで新たに立ち上げた経営者、学者(教育者)の構成。 とても盛り上がった会だったが、ある一人が、こんな本はあまり読まないけど、 この年になる…

文明崩壊

マヤ・アステカ・インカ文明について、にわか勉強をしてるところです。 歴史なんだが、社会人類学の分野なんだろう。 それが我々の会社なり国の経営にどのような示唆を与えてくれるのか、 とても興味があります。 まだ、仮説を立てるところまではいきません…

マヤ・アステカ・インカ文明

近々、メキシコ、ペルーに行きます。 昨今世界遺産ブーム?もあって、色々なメディアで紹介されています。 マチュピチュがその代表例かもしれません。 私もNHKで紹介されたもの等、見ただけでマヤ・アステカ・インカ文明がどのような歴史をたどり、 滅びたと…

『一万年の旅路』

読み始めて、かれこれもうすぐ一月が経とうとしている。 http://blogs.yahoo.co.jp/nao_torachan/folder/942722.html?m=lc&p=2 いくら分厚い本と言ってもかかりすぎですね。 他の本を10冊は読まなければならなかったので、読みたかったのに 時間が取れなかっ…

内村鑑三『代表的日本人』1908年

日清戦争から日露戦争の動乱期に相次いで、3人が日本語としてではなく、英語で書いた本である。 いずれも、長く閉ざされた江戸時代が終焉し、西欧化に向かって突き進んだころのこと。 つまり、このまま西欧化に突き進んで良いのだろうか、という疑問がもた…